ETS症(ETS被害後遺症)について

ETSとは?

ETS(Endoscopic Thoracic Sympathectomy)とは、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術のことであり、手掌多汗症に対する代表的な治療法である。
その他に、バージャー病、レイノー病、赤面症、RSD等に対して適応される手術である。
主な後遺症として、代償性発汗というものがある。
代償性発汗というのは、ETSの施行により手掌からの発汗は停止するものの、他の部位(下半身や背部等)から多量の発汗が起こるという、ETSの術後合併症の一つである。「代償」という言葉から、手掌に出る汗が他の部位に出ると誤解されがちであるが、胸部交感神経節を切除したことにより新たに生ずる体の異変である。
他にも、医師が認めている後遺症として、うつ熱・ほてり感、高温時のだるさ、神経症、手の冷感などがある。
ETSは、容易な処置のようであるが、その解剖はバリエーションが多く、また、いまだに解明されていない神経性機能を対象としている奥が深い術式である。適応の選択や術前のインフォームド・コンセントが不適切であれば訴訟問題を起こす可能性もあり得ると日本内視鏡外科学会雑誌Vol.9 No.1 2004の中でも提唱されている。

 

 

・ETS症(ETS被害後遺症)、別名「スプリットボディ症候群」     

日本では、人的被害で、原爆症カネミ油症などがありますが、ETS症も、ETSという手術によって、後遺症を負った健康障害の総称をさします。
 海外では、交感神経を切られたられた状態に、Corposcindosis (split-body syndrome)(スプリットボディ症候群)という病名がつけられています。



ETSを受けた人は、下記のような状態が複合しています。

・頭部無感症
・ドライハンド
・胸下多汗症
・体温調節機能障害


「頭部無感症」「胸下多汗症」という後遺症が、Corposcindosis (split-body syndrome)(スプリットボディ症候群)という1つの言葉で表現されています。

http://corposcindosis.blogspot.jp/2013/06/introduction-2.html
これは、ひとつの体でありながら、無汗症、多汗症の分割された2つの体を持ち合わせているということです。自律神経障害とも表現されており、「病気」です。
多汗症は病気ということで健康保険適用になっていますが、本当に病気なのは、ETSという交感神経を切られた状態と言えます。

下記サーモグラフィの写真のとおり、胸から上の温度が高く、真っ赤に写っています。
まさにあるひとつの線で区切られていて、スプリット(分割)されています。

通常では考えられない状態です。ETS被害者は、一生、この不自然極まりない病気の体と付き合っていかなければならないのです。